| (北出) |
よろしくお願いします。久住さんと出会ってもう14、5年になりますか?
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| (久住) |
北出君が東区で仕事をしていた頃からだから、それ位になるね。 由仁の倉庫の怪しい集まり(笑)で出会って・・・。ストーブの傍で君がラッシーを連れて来てて・・・。
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| (北出) |
今は亡き、ロックですね。シェルティです。
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| (久住) |
それから、東区の店に本を置きたいからと訪ねてきて・・・。
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| (北出) |
なんか出会った瞬間から、久住さんは俺を育てるための人だと勝手に思い込んでいましたから。 今もですが・・・
(笑)。
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| (久住)
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そうだね。ずっと、そんなことを言ってたね(笑)。
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| (北出) |
さて、今や時の人という感じで、日本で一番有名な本屋さんになった訳ですが、そのことについてお聞かせ願いますか?
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| (久住) |
実は、平成15年の夏にもうお店を閉めるしかないというところまでいってね。そのことを社員には9月に話してね。ただ、みんなも生活があるので、来年の7月に売上が5割アップになっていないともう閉めざるを得ないと・・・。あとは、外商を中心に無店舗で商売をしていくしかないかなと・・・。
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| (北出) |
本屋さんが厳しいというのは聞いていますが、そんなに厳しいのですか?
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| (久住) |
既存店の売上は2ケタダウン・・・。その背景には、まず消費者の読書離れ。本を読まなくなっているということ。それから、大型店の進出。ゲオやブックオフなどの古本屋さんに圧されていることもひとつ。その他、インターネット販売。コンビニに雑誌の売上を持っていかれていること・・・。事実、セブンイレブンの雑誌の年間売上は1800億円。紀伊国屋でさえ1200億だからね・・・。毎年1000件の本屋が倒産するけど、うち7割が街の本屋といわれている。そして、うちの場合はそれに加えて地下鉄の延長ということもあってね。琴似駅が最終駅でなくなったこと、バス路線の変更などもあって売上が前年比で一気に2割ずつダウンしていったということがあって。それでもなんとか5年くらい辛抱はしたけど、もうこれ以上は無理かなと思ったのが平成15年の春。ちょうどその年の夏に息子が亡くなって、気力も萎えたというのがあって・・・。ただ、その段階で店をたたむということは、もちろん現状ではそうせざるを得ないんだけど、なんとかしなきゃいかんという気持ちの方が強くてね。そうでないと、息子のせいにされてしまうから。それだけは、どうしても避けたかった。だから、社員みんなに宣言して、まだ少し時間があるから、最後のチャレンジをしようと・・・。
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| (北出) |
それほど大変だったとは知りませんでした。
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| (久住) |
で、とにかく本を読みまくってね。俺の場合、何かに困ると本を読むから。その中で、神田昌典さんの「非常識な成功法則」という本に出会って、その本に書かれてあったのが、人を集める大切さ。今まで、売上を上げる方法はやり尽くしてきたけど、人を集めるということはやったことがなかったので・・・。「これは、できるかもしれない!」という思いが啓示を受けるかのように確信として自分の中に入ってきて・・・。 じゃあ、どうすれば人が集まるのかと考えた時に「そうだ、プロに聞こう!」と三角山放送の木原くみこ(高校時代からの同級生)のところにいって相談したら、彼女は見事に二つのことを即答してくれてね・・・。ひとつは、マスコミを動かしなさい。そして、もうひとつが経営者を売り込みなさいと。つまり俺のことだよね。でも、そのときは自分自身を売り込むということはピンとこなくて・・・今となればよく解るけれども・・・。つまりマスコミを動かすということは、誰もやっていない面白いこと、楽しいことをやらなければならない訳。ああだ、こうだとふたりで検証して出てきたのが、売れない本ばかり集めた「なぜだ!?売れない文庫フェア」。「このままでは街の本屋が消えていく」「良書がどんどん消えていく」という社会性をテーマにマスコミに呼びかけたら、ほとんどのマスコミが取り上げてくれて・・・。
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| (北出) |
反響はどうでしたか?
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| (久住) |
シャッターを開けたらお客さんが待ってて、電話も鳴りやまない状態で・・・。くすみ書房に行きたいんだけど、どう行けばいいのかという初めてのお客さんからの問い合わせもすごくてね。昼頃には、人も通れないほどにフロアがいっぱいになって・・・。STVのどさんこワイドにその様子が取り上げられると、またお客さんが来てくれた。1500冊用意した文庫が一ヶ月も経たないうちに売り切れてね。でも売れない本だから、北海道には在庫がなくて、東京から取り寄せるんだけど時間がかかるから欠品の張り紙をしたりして・・・(笑)。おかげでその月の売上は、対前年15%増。それまでは、対前年を20%は下回っていたからね・・・。
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| (北出) |
それは、すごい! 今年の夏ころでしたか、小倉さんの特ダネ!でも取り上げられたそうですね。残念ながら見損ねたんですが、今でもマスコミの取材は頻繁にあるのですか?
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| (久住) |
今でも週一回位のペースでは取材を受けているかな?!でも、当初も毎日のようにマスコミに出ると、その効果で人が集まるということも少なくなってきてね。やはり新しいことをしなければと、第三回目の「なぜだ!? 売れない文庫フェア」から店内での朗読を始めたら、またこれを取材してもらったりして・・・。
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| (北出) |
他にも「本屋のおやじのおせっかい、中学生はこれを読め!」フェアなんかもありましたね。また、くすみ書房としては例えば「ソクラテスのカフェ」など本屋さんとしては珍しい活動もされていますが、その久住さんの様々な取り組みが全国の街の書店にも広がってきているとお聞きしています。そのへんはどうですか? |